最近読んだ本(技術書ではありません)

ブログらしく最近読んだ本でも紹介していこうかと思います。

みす51代 Advent Calendar 2019 11日目

君と漕ぐ

舞台は埼玉県長瀞町。東京から越してきた小柄で天真爛漫な高校生舞奈が、地元育ちで長身な高校生恵梨香と運命的な出会いをしてカヌーを始める話。カヌー部に入部した2人は先輩の希衣・千帆に出会い、ながとろ高校カヌー部として大会での入賞を目指す青春部活モノ。

カヌーとボートの違いは「カヌーは前向きなスポーツ」で、体を前に向けてパドルを漕ぐのだと。ボートは進む方向に対して体が後ろを向いていますね。

作者は「響け!ユーフォニアム」で有名な武田綾乃さん。ユーフォは小説もアニメも好きだったので、同じ作者ということで読み始めました。この作者さん、会話じゃない仕草や情景を描写する文章がとても綺麗で、思わず一文一文をじっくりと読んでしまいます。例えば冒頭でカヌーをする恵梨香に舞奈が出会うシーンのある文章。

しなやかに伸びた首筋に、薄い皮膚から浮き出た鎖骨。そのすべてが、光を吸収してはちみつ色に染まっている。足元に散らばる緑の生命たちを踏みつけたまま、恵梨香は柔らかに目を細めた。青々と茂る雑草が風を受けて波打っている。綺麗だ、と舞奈は思った。

物語はカヌー部やその周りの人たちの人間関係が大きなウェイト占めています。この作者さんはユーフォでもそうだったのですが、キャラクターをよく二人一組にして登場させていて、今作もペアを組む二人の互いの互いに対する気持ちが多く綴られています。ときにすれ違ったり、お互いを理解したり、理解した上でやっぱり分かり合えなかったり、嫉妬したり、自己嫌悪したり、そういった登場人物たちの人間らしさも「君と漕ぐ」の魅力かと思います。

なるたる

主人公は小学6年生の女の子シイナ。夏休みに祖父母の住む島に遊びにいったとき星の形をした不思議な生物「ホシ丸」に出会う。夏休みが終わって日常に戻ったあともホシ丸のような不思議な生物とそれと意識をリンクさせて様々な能力を発揮する少年少女たちと出会い、彼ら彼女らの戦いに巻き込まれていく。

作者の鬼頭莫宏さんの他の作品としては「ぼくらの」が有名かと。オープニングを聞いていると何故か杏仁豆腐が食べたくなるやつ。

シイナとその周りの少年少女たちのバックボーンが緻密に描かれていて、そこから導き出される言動や行動に注目してしまう作品でした。「ぼくらの」と同じ作者というところでなんとなく察してしまう人もいるかもしれませんが、話は重たくて残酷です。かなり苛烈な描写が多いので人を選ぶなと思う一方、結末は誰しもに一度読んだらしばらくの間忘れられない程の衝撃を与える作品だと思います。

博士の愛した数式

事故によって80分しか記憶がもたなくなってしまった老数学者「博士」と博士の元で家政婦として働くことになった「私」とその10歳の息子「ルート」の話。80分しか記憶が持たない博士は「大切なこと」を記したメモを背広中につけていて、毎朝起きて「僕は80分しか記憶が持たない」のメモを見ては1人泣く。博士は数学を愛していて、何かを話すときには数字や数式を持ち出すのが癖。「私」とルートは博士の優しさと数学に対して常に真摯であろうとする姿に徐々に尊敬や親しみを抱くようになり……というお話です。

結構ガッツリ数学の話が出てきてビックリするのですが、博士の語り口はこの先に一体どんなワクワクが待ち構えているのだろうといった予感や、どんなに数学を知らない人に対しても純粋に真摯に数学の美しさを伝えようとする柔らかさを持っていて、読んでいて心地が良いです。博士はコミュニケーションツールとして数学を使います。博士の語る数学の話には、博士の心情や在り方が埋め込まれていて、博士が教えてくれる数字や数式の美しさはそのまま博士の言葉となって「私」やルートの心に届いていきます。

博士と「私」とルートの間にある親しみに心打れたる、そして悲しい物語です。

efの新藤千尋のことを思い出します。あれも悲しいお話でした。

咲-Saki-

21世紀。世界の麻雀人口は一億人を超え日本でも大規模な全国大会が毎年開催され高校麻雀部員たちが覇を争っていた。女子高生宮永咲は清澄高校麻雀部に入部し、部員たちとともに全国大会優勝を目指す……というお話。

これは牌に愛された美少女たちによる超能力麻雀。麻雀何も分からない頃、スピンオフの阿知賀編のアニメを声優が豪華である、という理由だけで見ていました。当時は「手牌にドラが勝手に集まってくる」とか聞いてもはあーそんなもんかとかしか思わなかったのですが、最近少し麻雀を覚えて如何に咲の世界が超能力で満ちているということが分かるようになりました。とはいえそこはあまり気になるところではなくて、個性豊かな美少女たちがたくさん出てきて麻雀で熱い戦いを繰り広げるのはなかなかに盛り上がります。

時々咲の左目から雷が出てるのと、長野決勝で停電したとき衣の体がなんか光っていたのはやっぱりちょっと笑ってしまいます。

あとは作中の衣のセリフで

長期的自己実現で福楽は得られない。幸せは刹那の中にあり。この光・・・この風この時を楽しめるのも幸せの形なのだと

というセリフがあって、なにこれめっちゃカッコイイ何かの引用だろうかと思って調べたら咲のオリジナルのようで、作者天才か?と思いました。

長門有希ちゃんの消失

涼宮ハルヒシリーズのスピンオフ作品。ハルヒを観たもしくは読んだことが前提で、あらゆるところに原作のパロディが仕込まれています。一方、長門有希ちゃんはハルヒと同じ名前のキャラクターが出てきて同じ舞台の話というだけで、原作とは切り離して読んだほうがいいです。キャラクター像が原作と違いすぎることに戸惑いつつも、ラブコメとしては優秀でうぅん表情豊かな長門もかわいいじゃんと唸っていました。原作の方の消失の長門もめっちゃ好きだったんで長門が出てくるだけで嬉しくなっちゃう人向けって感じ。この作品に出てくる長門は宇宙人でないし、小泉は超能力者でないし、キョンは目が死んでないし、朝倉さんはァしない。特に朝倉さんは普通に面倒見のいい長門の友人枠、とってもいい人、原作ではどの世界線にいてもキョンのことをァしちゃうんですかと思っていましたが、そんなことはなかったんやと、ちょっと安心しました。

実はハルヒはアニメ化したところまでしか話を知らなくて、5巻の終わりで佐々木さんという知らないキャラクターが出てきてしまいました。本編を知らないまま続きを読むのは違うだろうと思って6巻から先はまだ読んでません。まずは原作を追いたいと思います。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

才色兼備で有能だが人付き合いの苦手な雪ノ下雪乃とアホだが人間関係において空気を読むことが得意な由比ヶ浜結衣がヒロインの本作。主人公の比企谷八幡はヒロイン2人とともに「奉仕部」として様々な依頼をひねくれたやり方で解決していく。そんな奉仕部の活動を通して三人は近寄りすぎず離れすぎずの関係であったが、あることがきっかけで段々とお互いの距離感を掴めなくなっていく。表面上を取り繕って上辺だけの関係を嫌った八幡が「本物が欲しい」と涙ながらの告白をすることで三人の関係は今までと違ってより複雑なものになっていき……。

そんな「俺ガイル」の最終巻が出ました。途中2年空いた上最近の刊行ペースが年一冊、さらに物語自体もかなり先を焦らす展開だったので本当にやっとかという気分です。ちょうど主人公たちと歳の近い高校1年生の頃に読み始めて主人公のその自己犠牲的な在り方に感銘を受けたり、少し歳をとってからは何やってんだこいつらと冷めた目で見るようになったり、やっぱりこいつらの在り方はいいなと思ったり、大袈裟な言い方をすれば俺ガイルと共に合った学生生活で、その最後の年に最終巻が出るというのは最高なタイミングだったと感じます。

物語中散々語られてきた「本物」や「共依存」に対して作者がどういう答えを持っているのかや、奉仕部たちの関係にどのような結末を綴るのか大変見ものでした。どのような結末になるのか最後まで分からなくてドキドキしながら読んでいました。

それに加え最終巻は良すぎるシーンがいっぱいあります、まさかまさか最後の最後にこんな爆弾を投下してくるとは、といった感じでしょうか。平塚先生の素晴らしいセリフの数々にも注目です。色々スッキリしたしそれ以上にいいもの見れたので長期シリーズの最終巻としては120点文句なし。

最終巻は出ましたが、作者は今後の八幡たちを書く意欲を持っているようです。楽しみです。

僕のヒーローアカデミア

世界の多くの人間が「個性」と呼ばれる超能力を持つ中、主人公「緑谷出久」は何の能力も持たない「無個性」として生まれてきた。出久は幼い頃から個性を悪用する敵「ヴィラン」を個性を発揮して取り締まる「ヒーロー」にあこがれていた。無個性である出久にヒーローを目指すことは無謀であったが、ある事件を通してヒーロー「オールマイト」にヒーローのとしての素質を見出された。オールマイトの個性は特別で、他人に個性を譲渡することができ、オールマイトの個性を受け継いで個性持ちとなった出久はヒーローを目指す学生が集まるヒーロー養成校「雄英学園」に通うようになる。学園や学園外での様々な事件を通して出久やその周りの個性豊かなキャラクターたちの成長を描いています。

所謂少年漫画を読んだのは結構久しぶりであったような気がします。小学生時代はNARUTOにドハマりしていたのですが、その頃の熱い気持ちを思い出しました。そしてこの作者さん、素人目に見てもめちゃくちゃ絵がうまい。そんなことを言うと失礼かもしれませんが、絵を見るだけでも読む価値があると思います。

好きなキャラクターは轟焦凍です。ああいう寡黙だけど心の中には熱い思いがあるやつってめっちゃカッコイイと思います。そして何より強い。あとは麗日お茶子、明るく努力家で負けん気な性格で気持ちがいいやつなので好きです。作者も言っていたけど印象に残るいい名前だなあと思います。能力はちょっと目立たないけどね。

ストーリーはエリちゃんの出てくる話が好きでした。エリちゃんが個性を制御できるようになったら主人公無敵では???と思ったり。

ソードアート・オンライン

舞台は2022年〜、近未来の話。ナーヴギアと呼ばれるマシンを使ってのバーチャル世界へのフルダイブ技術が確立した世界。主人公の桐ヶ谷和人(キリト)がバーチャル世界での事件に巻き込まれて、その事件を解決する過程でヒロインと出会ったり、敵と戦ったり、バーチャル世界と現実世界の違いについて考えたりする話です。SAOはマザーズロザリオ編が好きです。アニメ本当に良かった。

数年前にアリシゼーション編の途中まで読んでいて、それ以降しばらく追っていませんでした。アリシゼーション編に出てくるヒロインはアリスという剣士の女の子で、現実世界に体を持たない仮想世界の住人です。アリシゼーション編は今ちょうどアニメ化して放映中なんですが、アリスがカッコかわいくてエモいです(語彙力)。モチベーションが湧いてきたのでアリシゼーション編の最後まで読みました。結末はなかなかビックリすると思います。そうなってしまうか、と。ネタバレになってしまうのでなんともボカした言い方しか出来ないのですが、登場人物に感情移入した気持ちで見ると辛いが、読者としての傍観する立場からは面白かったと言える、といった感じでしょうか。

本は読み終わってしまいましたがアニメは未だ毎週ワクワクしながら観ています。はよキリト目覚めろ。

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?

終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか(通称:すかすか)の第2部。アニメを見ていた人なら知っていると思いますが、ティアット(緑)・コロン(桃)・ラキシュ(黄)・パニバル(紫)のチビっ子たちが成長した姿で出てきます。

舞台はレグル・エレと呼ばれる空中都市。地上が「ケモノ」によって滅ぼされて生き残ったものたちが「大賢者」の力によって浮かぶ空中都市で、時折地上からやってくるケモノに怯えながら生活していた。ヒロインの女の子たちはレプラカーンと呼ばれる種族で、レグル・エレで唯一ケモノに対抗できるダグ・ウェポンと呼ばれる武器を扱えることと、その生まれたちにより自分の命にあまり執着を持たないことから、ケモノに対する捨て身の兵器として扱われていた。そんなヒロインたちに周りの人たちが接することでヒロインたちに心に変化が生まれてきて、そこに切ない物語が生まれてきます。

はじめはアニメから入ったのですが、退廃した世界観や悲しいストーリーに強烈なカタルシスを感じました。登場人物たちの今後が気になって第二部に入ってからもずっと追っています。感動する話は何かと言われれば、CLANNADの次にはこのシリーズを上げると思います。アニメでもいいですし、原作なら第一部の第一巻〜第三巻(アニメ分相当)まででもいいので読んでほしいです。気に入っていただけたら続きの第二部も濃い内容となっているので是非読んでほしいです。

弱キャラ友崎くん

高校生友崎文也は「アタファミ」と呼ばれるゲームで『nanashi』というハンドルネームの日本一プレーヤーだったが、現実では自分の見た目や周りに関心を示さず人生のことを「クソゲー」と称していた。一方本作のヒロインの一人で、主人公のクラスメイト日南葵は「アタファミ」で日本2番でありながらも、現実でも誰から好かれて何でも出来る自他ともに認めるパーフェクトヒロインであった。あるとき日南は唯一アタファミで勝つことの出来ないnanashiのことを知ろうと会う約束を取り付けて、自分でさえ勝てない相手nanashiがクラスでも冴えない友崎であることを知る。人生もゲームも生まれ持ったキャラクターの能力によって決まる、「弱キャラ」に生まれてしまった自分では攻略することの出来ない人生は「クソゲー」であると称する友崎を、人生は計算と理論による努力で「強キャラ」変われる「神ゲー」だと信じていた日南は認めることが出来ない。お互いの信じるものを賭けて日南は友崎に人生攻略のレクチャーを始めることになる……。

作者の尾久ユウキさんはこれが作家デビュー作のようです。イラストレーターのフライは「色づく世界の明日から」のキャラデザをやっていて知りました。

最初の方はまだ主人公はオタクで陰キャだったので周りと噛み合わず、読んでいるこっちも辛くなってしまうのですが、日南から出される陰キャ脱却の課題をこなす中で、段々と明るくなって周りに認められていく様子は素直に気持ちが良いです。日南の言ってることは割と当たり前のことなのですが、オタクの人間にはまあハードルが高いんですよね。それをこなして成長する主人公を見ていると、凄く浅い言い方しか出来ないんですけど何だか自分も頑張ろうという気持ちになってきます。

話が進むと菊池さんというヒロインが出てきます。本を読んだり小説を書いたりすることが趣味の文学少女で、穏やかな性格である一方、人の性格や行動に対する鋭い視点を持っている女の子です。ヒロイン力はかなり高くて、ネタバレになってしまうのであまり言えないのですが、最新刊付近では色々とありました。続きが早く読みたいです。

物語のメインヒロインは日南のはずです。主人公と日南がこの先どうなっていくか、今後が気になる作品です。

正直読む人によって賛否両論な作品だと思いますが、個人的には弱キャラ友崎くんは結構推してます。今度アニメ化もしますしね。

安達としまむら

授業をサボった先で出会った不真面目女子高生安達としまむらの「ゆる〜い」(公式談)日常を描いた話。作者の入間人間は、最近だとやが君のスピンオフを書いてて有名。まだ1巻しか読んでいません。「ゆる〜い」というか「ゆり〜い」って感じで読んでるこっちもドキドキしてしまうような百合な描写がありました。

最初はしまむら視点で安達の掴みきれない行動に悩まされる様子が描かれていて、この本はしまむら視点で進んでしまむらが安達のことを知っていく話なのかなあと思いきや、途中から安達視点にも切り替わって、そこからは……(あとは読んでください)。

お互いの視点からお互いに対する印象とか気持ちとかが語られていて、なぜ一緒にいるのかということに対する考察がしっかりなされていたのが良かったです。そういうの好き。

サブキャラとして宇宙服を来た宇宙人を自称するヤシロというキャラクターが出てくるですが、なんだか電波女と青春男でも見たことがある気がします。そういや作者同じだったかと。こちらはアニメしか見ていないし、見たのが4,5年は昔なのでよく覚えていないのですが、何か世界観が繋がっているのでしょうか。あとカラオケで一緒に歌ったのはスピッツのロビンソンですかね。

続きも読みたいなと思います。

余談

あまり関係のないことですが、アマゾンの商品リンクをいい感じにする機能、今までははてなブログがよしなにやってくれていたのですが、Hugoに乗り換えてからは使えなくなってしまいました。今はiframelyというサービスを使っていて、大変助かっています。